FPが実際に入っている保険って?本当に必要な保障と金額を見極めよう!
タイプ別FPが選ぶ必要な保険とは?
「どんな保険が必要か」は、その人の状況によってさまざまです。状況とは「子育て中」「独身」「自営業」など、仕事や家族の事情を指します。ここでは、その状況別に必要な保険の種類をFP(ファイナンシャルプランナー)どのように選ぶかを解説するので、参考にしてください。
独身の場合
まだ結婚していない、もしくは一生結婚しないかもしれない独身の人には大きな死亡保障は必要ありません。自分が病気になったときの保障、老後資金の準備を保険で準備しましょう。以下のような保険種類が必要になります。
独身の人に必要な保険
- 医療保険
- がん保険
- 個人年金(または変額保険、外貨建て終身保険)
子育て中の人
独立していない子どものいる世帯では、世帯主にもその配偶者にも保障が必要です。遺族が生活に困らないように、十分な保障を遺せるようにしましょう。保険金額は誰を被保険者にするかによって必要額は変わりますが、次のような保険が必要になります。
子育て中の人に必要な保険
- 終身保険
- 収入保障保険
- 医療保険
- がん保険
- 個人年金(または変額保険、外貨建て終身保険)
自営業、フリーランスの人
会社員、公務員には厚生年金や、病気やけがで働けなくなったときの傷病手当金などのセーフティーネットがあります。しかし、自営業・フリーランスにはなく、自分で準備しなくてはなりません。自営業・フリーランスの方はいざという時のために、次のような保険でしっかりと準備しましょう。
自営業・フリーランスの人に必要な保険
- 終身保険
- 収入保障保険
- 医療保険
- がん保険
- 個人年金(または変額保険、外貨建て終身保険)
- 就業不能保険
生命保険の選び方のポイント
保険選びというと、保障内容より保険料に目がいきがちです。しかし、生命保険で必要な保障を過不足なく準備するには、保険料以外にも大切なポイントがあります。ここでは、自分に合った生命保険の選び方を解説します。
自分にとって必要な保障を考える
家族の死亡や自分の病気でお金が必要な状況で、十分な蓄えがなければ保険に加入すべきかもしれません。次のような保険が必要になるケースで、お金が準備済みかどうかを考えてみましょう。
家族の死亡で遺族の生活に支障がないか?
一家の大黒柱である世帯主が亡くなって「遺族年金だけでは生活できない」「子どもが進学を諦めざるをえない」ケースでは、死亡保障が必要です。また、家計の担い手ではない主婦(夫)が死亡した場合も子育て中であれば、家事代行などを利用することも考えられます。預貯金の少ない世帯では、経済的負担が重くなりがちです。無理のない範囲で保険に加入するのも、選択肢の1つといえます。いずれの場合も、遺族に必要な保障額が確保できるようにしましょう。
病気やけがで入院した時に預貯金で対応しきれるか?
自分自身が病気やけがで入院すると、治療費だけでなく、入院にかかる雑費も無視できません。短期の入院ではそれほどでなくても、入院が長期化すると負担が重くなってきます。ただし、健康保険には高額療養費制度により、自己負担の上限を超えると還付される仕組みがあることも頭に入れておいてください。これらのことと現在の預貯金をトータルで考え、入院時の家計に不安があれば不足分を医療保険でカバーするとよいでしょう。
がんに罹ったときに治療費と生活費を負担しきれるか?
日本人のおよそ2人に1人ががんになると言われており、特に高額の治療費がかかる病気です。医療の発達のため、がんは必ずしも死に至る病気ではなくなりました。しかし、そのために治療が長期化し、治療費だけでなく働けないことによる生活費の不足も考えなくてはなりません。治療費と生活費の不足分を貯蓄や傷病手当金などで補いきれるかどうかを検討し、がん保険の必要性を考えてみましょう。
病気やけがで働けなくなった場合に、生活費が不足しないか?
就業不能状態になり、退院しても自宅療養が続くと、収入が途絶える人も少なくありません。傷病手当金や貯蓄もない場合、生活が困窮する可能性があります。病気やけがで働けないときに生活費が不足すると予測される人は、就業不能保険の加入は解決策の1つです。
将来のための資金準備ができているか?
教育費や老後資金の準備には、学資保険や個人年金の活用が考えられます。貯金が苦手な人にとって、毎月決まった保険料が強制的に引き落とされる生命保険の仕組みはメリットの1つです。また、保険料が生命保険料控除の対象になり、所得税・住民税の負担が軽減されます。保険以外の選択肢ももちろんありますが、計画的な準備が苦手な人に保険はおすすめです。
必要な保障額を求める方法
生命保険の保障額は多すぎると保険料がムダになり、少なければいざという時の役に立ちません。もしもの時に安心できる保障額の求め方を解説します。
死亡保険金額
一家の大黒柱が亡くなった場合の必要保障額の目安は次のステップで求めます。
必要保障額の求め方
- 末子が独立するまでの遺族の生活費:現在の生活費の7割×末子が独立するまでの年数
- 末子が独立後の配偶者の生活費:現在の生活費の5割×配偶者が老齢年金を受けるまでの年数
- その他必要資金:教育費・住居費・葬儀費用などの合計
- 収入見込:遺族年金の見込額、死亡退職金、自己資金、配偶者の勤労収入の合計
- 必要保障額:末子が独立するまでの遺族の生活費+末子が独立後の配偶者の生活費+その他必要資金(教育費など)-収入見込
その他の保障額
死亡以外の必要保障額も基本的な考え方は、同様です。リスクから想定される支出に対して、利用できる公的なセーフティーネットと自己資金を合計して足りない分が保障額となります。リスクごとに利用できるセーフティーネットとは、次のようなものです。
利用できるセーフティーネット
- 死亡リスク:遺族年金
- 病気やけがのリスク:高額療養費制度・傷病手当金・障害者年金
- 長生きリスク:老齢年金
- 介護リスク:公的介護保険
生命保険を比較するポイント
ここでは、複数の保険商品を比較するときに、見るべきポイントを解説します。
保険商品を比較するポイント
- 保障内容:主契約や特約がどのような場合を保障するのか
- 保険金額:必要な保障額がカバーできるか
- 保険期間:終身の保障か、一定期間の保障か
- 保険料払い込み期間:保険料の払い込みは短期か、終身か
- 保険料:無理なく払える保険料か、他の商品と比べて割高でないか
- 返戻金:貯蓄性の有無、支払った保険料に対してどの程度戻るのか
保険種類ごとの特徴と加入目的
生命保険にはいろいろな種類があって、よくわからないという人も多いのではないでしょうか。ここでは、主な保険の種類と加入目的について解説します。
終身保険
死亡の保障が一生涯続く保険です。保険料の払い込みは終身のタイプと60歳までのような短期のタイプがあります。解約すると期間の経過に応じた返戻金が受け取れる保険です。終身保険は死亡時の葬儀代などの準備に適しています。終身保険には円建てのほかに外貨建ての商品もあります。外貨建ての終身保険は為替リスクはありますが、一般的に円建て保険と比べて貯蓄性が高く、教育資金や老後資金の準備にも有利です。
定期保険
決められた期間の死亡を保障する保険で、保険期間中および満了時に戻るお金のない、掛け捨てタイプです。その分、終身保険に比べて保険料が安くなります。世帯主の死亡など、一定期間にまとまった保障が必要な場合に有効な保険です。
収入保障保険
定期保険の一種で、保険金を年金形式で受け取るタイプです。遺族の生活費の補填に適しています。
医療保険
入院や手術、入院後の通院を保障する保険です。ほとんどの保険会社で保険期間は終身となっています。保険料の払い込みは終身のタイプと60歳までのような短期のタイプがあります。
がん保険
がんにかかった場合の治療費を保障する保険です。多くの場合、がんと診断された場合にまとまった一時金を受け取れます。また、抗がん剤や放射線などの治療費を保障する商品も少なくありません。がん保険は保険会社によって保障内容がさまざまなため、希望する保障内容かどうかを吟味して選びましょう。
就業不能保険
病気やけがで働けなくなったときの生活費を保障する保険です。就業不能保険は比較的新しい保険で、就業不能の条件や、保障の対象になる病気やけがが保険会社によって異なります。同じ条件での商品比較が難しいため、複数の商品の保障内容を比べて希望に合うかを検討しましょう。
介護保険
被保険者が一定の要介護状態になったときに保険金が受け取れるのが、民間の介護保険です。要介護認定の基準は保険会社独自のものや、公的介護保険に連動するタイプなど、さまざまな商品があります。
学資保険
子どもの教育費の準備ができる保険です。一般的に契約者である親が死亡した場合に、その後の保険料の払い込みが免除されます。
個人年金保険
老後資金準備のための保険で、被保険者の死亡時には払い込んだ保険料相当額が戻るだけです。保険料の払い込み期間が終了後に積立てた原資を年金として受け取ります。
変額保険
変額保険とは保険料を投資信託や株で運用し、その運用成績によって保険金や解約返戻金が増減する保険のことです。変額保険では、死亡保険金に最低保証がありますが、解約返戻金は運用成績によっては元本割れの可能性もあります。しかし、長引く低金利で円建ての個人年金や学資保険では十分な貯蓄性が期待できません。そこで、保障と利殖性を兼ね備えた変額保険も選択肢と考えられます。
養老保険
被保険者が死亡時は死亡保険金が、満期時には満期保険金が受け取れる保険です。長引く低金利で、多くの場合受け取る満期金が払い込み保険料を下回るため、最近では加入者が減りました。
まとめ
本当に必要な保険は人ぞれぞれで、FPが入っているからといって自分にとって必要とは限りません。今の状況には何が足りなくて、どのような保険が必要なのかを考えることが大切です。個々の保険商品も保険料だけで比較せず、希望する保障内容を満たすかどうかを確認するようにしましょう。
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