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医療保険

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新型コロナウイルスの治療費は自己負担?公的負担?補償条件や範囲を専門家が解説

コロナによる入院費・治療費は基本的に公費負担

新型コロナウイルスは現在、国の「指定感染症」として定められており、検査や治療にかかる費用は公費でまかなわれています。具体的な条件や補償について見ていきましょう。

陽性判定〜治療終了・退院までが公費負担の範囲

厚生労働省によると、感染症指定医療機関にて新型コロナウイルスに関する医療を受けた場合は、都道府県がその費用を負担します。やむを得ず指定外医療機関にて医療を受けた場合には、原則として一旦、患者が費用を負担したのち、都道府県に請求手続きをすることで費用分の支給を受けることができます。

(参考:感染症法第 42 条の規定に基づく入院患者の療養費の支給について

公費負担の対象となる主な費用は次のとおりです。

検査費用(陽性・陰性)

患者自身に発熱など何らかの症状があって検査が必要であると医師から判断された場合、検査結果に関わらず検査費用は公費負担となります。また、濃厚接触者として保健所から検査をするよう指示された場合や、コロナ感染の疑いがあるため医師から検査指示があった場合も公費負担の対象です。

陽性判定後の治療・入院費用

PCR検査で陽性が確認された場合、その後の医療費は公費でまかなわれます。肺炎など諸症状の治療費や入院のためのベッド代や食事代といった必要経費がその対象となります。

ただし、自治体によっては所得額に応じて自己負担分が発生することがあります。たとえば、東京都や大阪府の場合、患者および生計を同一にする世帯員すべての市町村民税の所得割額を合算した額が56万4千円を超える場合、月額2万円を上限とした一部負担が発生します。

(参考:感染症医療費助成制度、新型コロナウイルス感染症患者の医療費公費負担について

自宅療養・宿泊療養の費用

陽性判定後、自宅療養やホテルなどで宿泊療養を受けた場合も、その間に発生した費用は公費負担されます。治療費や宿泊費用、食事代が支払われます。

自己負担になるもの、会社員が受け取れる補償金

新型コロナウイルスの治療に関する支出のすべてを公費で負担してもらえるというわけではありませんので注意が必要です。しかし、現在就業中の方の場合、条件によっては補償を受けられることもあります。

自己負担例①無症状や自主的なPCR検査

症状が出ていない場合や自主的に検査を受ける場合、検査費用は全額自己負担となります。「なんとなく不安だから」「どうしても帰省しなければならないので調べたい」などの理由でPCR検査を行うケースが該当します。

自己負担例②陽性判定前の治療

PCR検査で陽性と判定される前に受けた治療については、たとえその症状が新型肺炎によるものと推測されても公費負担の対象にはなりません。たとえば病院で受診し、新型肺炎が疑われるためPCR検査を行った際に併せてレントゲン撮影や血液検査も受けたという場合、PCR検査費用は公費負担、それ以外の検査や受診費用は自己負担となっています。

自己負担例③入院に必要な備品の購入・レンタル

入院費用やそれに伴う食事代は公費負担ですが、入院時に使うタオルやパジャマの購入、その他入院生活に必要な雑貨の購入やレンタル等については自己負担となります。

自己負担例④経過観察・自主隔離中にかかった費用

コロナ陽性の判定後、治療が完了するまでの間にかかった医療費・入院費は公費負担ですが、陽性判定前の経過観察費用は自己負担となりますので注意が必要です。また、自主隔離を行った場合も、その間にかかった費用は自己負担となります。

条件に合えば「傷病手当金」「休業手当」「休業補償給付」も

現在、会社員で被用者保険に加入している方であれば、傷病手当金や休業手当、休業補償給付を受けられる可能性があります。傷病手当金については現在、コロナ感染対策に伴う休業に幅広く対応するために、自営業やフリーランスなど国民健康保険に加入している方も対象となっています。

傷病手当金とは加入している健康保険から支払われるもので、業務外の事由による病気やけがにより3日間連続で休んだ場合に手当金が受け取れる制度です。休業4日目から最長1年6ヶ月、受給可能です。

休業手当は勤務先の企業から支払われるもので、たとえば新型コロナウイルスに感染した疑いのある従業員に企業の自主的な判断に基づいて休業を命じた場合、使用者の責に帰すべき事由に該当し、手当を支払うよう労働基準法で定められています。

休業補償給付とは労災保険から支払われるもので、業務上の事由でケガをしたり病気になったりした場合、その間の休業について給付を受けられるものです。

退院後の通院は自己負担、コロナの特例補償なし

新型コロナウイルス感染症の治療が完了し退院したあとのお金は原則、自己負担となります。たとえコロナ感染による影響を受けた事由であっても公費負担にはなりません。

退院後のコロナ関連支出は自己負担

医師から治療が完了したと診断された場合、その後の支出は自分で負担する必要があります。たとえば下記のケースが挙げられます。

治療完了後の通院・入院や治療は公費負担なし

コロナ感染症の治療が完了した後も、後遺症などにより通院・入院する可能性があります。しかし、その場合の医療費や治療に伴う費用は自己負担となります。コロナウイルスに感染した影響によるものであると見受けられても、治療が完了している限り公費負担にはなりません。

後遺症などによる市販薬の購入なども自己負担

通院はしていないものの市販薬が必要な状況となっているという場合も、その費用はやはり自己負担することになります。個人差はありますが、コロナ感染の治療が終わった後も諸症状が見られるという報告が上がっています。治療完了後も市販薬などに頼る可能性があると想定されます。

自己負担分には「高額療養費制度」が適用される

国の社会保障制度のひとつである高額療養費制度により、医療費の自己負担を一定額内に収めることができます。これは新型コロナ感染症以外の医療費も対象となる制度です。

高額療養費制度とは

国民健康保険や勤務先の健康保険など、公的な保険に加入していて70歳未満の方は、実際にかかった医療費の3割を医療機関の窓口で支払います。3割負担、といっても入院や治療の内容によってはかなり高額になることもあります。その場合、高額療養費制度を利用すれば保険適用される医療費について、自己負担分の一部が払い戻されます。年齢や所得の状況に応じて自己負担の限度額が定められています。

コロナの治療前後の医療費負担例

項目公費負担の有無高額療養費制度の適用
コロナ陽性判定前PCR検査
(保健所・医師の指示)
PCR検査
(自主的な検査)
××
レントゲン撮影や血液検査など×
コロナ陽性判定後治療・入院費
(食事代含む)
自宅療養・宿泊療養費
(食事代含む)
入院・療養に伴う生活用品などの購入・レンタル××
コロナ治療完了後後遺症に伴う通院・治療費×
市販薬の購入費××(※)

(※)市販薬の購入費については、医療費控除やセルフメディケーション税制の対象になる可能性があります。

ここまでの話をまとめると上記のようになります。コロナの陽性判定が出たかどうかが公費負担の有無に関わってきます。陽性判定後、必要な治療を行い完治したと医師が判断した後は公費負担の対象外になりますが、条件に当てはまれば高額療養費制度が適用されます。

なお、高額療養費制度は、同居する家族がいて同じ公的医療保険に加入している場合、医療にかかった自己負担額を合算することができます。たとえばコロナウイルスの家庭内感染が発生しコロナ治療が一度完了した後、自分も家族も後遺症などにより通院・治療が再び必要となった際は、支払った自己負担分を世帯分にまとめることで高額療養費制度の適用対象になる可能性もあります。

民間保険(医療保険・死亡保険etc.)はいくら適用される?

これまでご紹介してきた補償に加えて、個人ですでに加入している民間保険も新型コロナ感染症関連に適用されることがあります。

生命保険から受けられる保障

現在どのような条件の民間保険に入っているかにより、受けられる保障内容は変わってきます。具体的な内容については加入している保険会社に確認しましょう。ここでは代表例をご紹介します。

医療保険

コロナ感染による入院や宿泊療養は入院給付金の対象になります。自宅療養についても、証明書等があれば対象になるとのことです。感染が疑われるため入院したもののPCR検査で陰性だった、という場合でも入院給付金の対象になり得ます。

また、気管切開など手術を受けた場合には手術給付金の支払いを受けられることもあります。

死亡保険

死亡保険の被保険者が亡くなった場合は、契約条件に応じた死亡保険金が遺族に支払われます。世帯の収入を担っている方に万が一のことがあった場合、遺された家族の生活を支えることができます。

なお、終身保険など被保険者の死亡時に備える保険に加入している場合、特約として災害での死亡保障をつけている方は、コロナ感染が原因で死亡した際に特約からの保険金を受け取れる可能性があります。これは新型コロナ感染症が過去に流行した感染症と同様に「災害」とみなされるようになったためです。

損害保険

たとえば損害保険会社が提供している所得保障保険に加入している方であれば、コロナ感染により働けなくなった場合に一定期間・一定額の保険金を受けることができます。いくら受け取れるかは契約条件によりますが、生活費の支えになるだけでなく、安心感も得られることでしょう。

民間保険の「契約者貸付制度」

貯蓄性のある生命保険に加入している方は、契約者貸付制度を利用して保険会社からお金を借りることができます。加入している保険の解約返戻金の額に応じた金額を保険会社が融資してくれる制度です。収入減少などに対応するための方法のひとつとして知っておくと役立ちます。

まとめ

コロナに感染した場合、治療が完了するまでは公費負担を受けることができます。一方、後遺症の治療や仕事環境の変化に伴う収入減少なども視野に入れると、自己負担しなければならないお金も浮かび上がってきます。

過度な不安を抱く必要はありませんが、不測の事態にも慌てないよう、日頃から家計のチェック、とりわけ保障面の定期的な見直しをしておくことをおすすめします。

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