海外へ一年留学する時の費用ってどのくらい?事前資金や国別での平均を徹底解説!
大学生の海外留学
海外へ留学する大学生の人数をみてみると、2019年にはいったん落ち込んだものの、2009年から2018年までは右肩上がりで増加しており、多くの人が費用を工面して海外留学していることがわかります。文部科学省の「データでみる日本の留学」における、「大学生の留学期間」の調査結果は以下のようになっており、留学する期間としては「1カ月未満」が最も多く、66%となっています。
大学生の留学期間
留学期間 | 全体における割合 |
1カ月未満 | 66.0% |
1カ月以上~3カ月未満 | 9.7% |
3カ月以上~6カ月未満 | 10.6% |
6カ月以上~1年未満 | 10.8% |
1年以上 | 1.0% |
一年以上の海外留学をする大学生の割合は1%と、非常に少ないことが特徴です。この理由として、一年間の海外留学費用の金額が高くなることが考えられます。
海外留学先で人気の国はどこ?
海外留学で、人気の国はどこでしょうか。2019年における国別日本人留学生数は以下となっており、留学先で一番人気がある国はアメリカとなっています。
国別の日本人留学生数(「独立行政法人 日本学生支援機構」日本人学生留学状況調査結果より)
国(地域)名 | 割合 |
アメリカ合衆国 | 16.9% |
オーストラリア | 8.9% |
カナダ | 8.7% |
韓国 | 6.7% |
英国 | 6.3% |
中国 | 5.8% |
タイ | 4.7% |
台湾 | 4.6% |
フィリピン | 4.3% |
マレーシア | 3.2% |
日本人の留学先はアメリカ合衆国が最も多く、次にオーストラリア、カナダ、韓国です。このように、一定割合の日本人学生が毎年さまざまな国に海外留学をしています。
一年間海外留学するのには多くの費用がかかります。一年間の留学を検討するときには、まず「どれくらいの費用がかかるのか」をしっかりと考えることが大切です。一年間の海外留学にかかる費用を「一年間の学費」と「渡航費」、「一年間の滞在費」の3つに分けて具体的にどのような費用がかかるのかを解説していきましょう。
一年間の海外留学にかかる授業料などの費用
海外留学における一年間の授業料には、以下が含まれます。
「授業料などの費用」に含まれるもの
- 入学金や出願費用
- 授業料金
- 学校の教材費
- 現地のサポート料金
- プログラムの参加費
海外留学費用の中では、授業料の金額が大きな割合を占めています。また、一年間の授業料は学校の種類や国によっても異なります。 それでは、留学先上位のアメリカ、オーストラリア、カナダ、韓国、英国の一年間の授業料の平均データ(文部科学省「トビタテ!留学JAPAN)について、国別にくわしくみていきましょう。
アメリカの平均相場
アメリカの授業料(1ドル=110円で計算)
【大学】公立4年制 州外学生 | 約300万円 |
【大学】私立4年制 | 約380万円 |
【語学学校】大学付属・3週間(授業数は週20時間) | 約13万円~ |
【語学学校】私立(週20時間) | 約10万円~ |
【語学学校】私立(週30時間~) | 約14万円 |
4か国の中で、アメリカの授業料の平均相場が一番高く、留学するには多額の費用が必要になります。
カナダの平均相場
カナダの授業料(1カナダドル=87円で計算)
【大学】学部・一年間 | 約142万円~約300万円 |
【語学学校】大学付属・4週間 | 約10万円~約16万円 |
【語学学校】私立・4週間 | 約9万円~約13万円 |
カナダの大学の授業料の平均相場は、オーストラリアと同じような金額です。しかし、語学学校の授業料ではカナダのほうが高くなっています。
オーストラリアの平均相場
オーストラリアの授業料(1オーストラリアドル=80円で計算)
【大学】一年間 | 約160万円~約280万円 |
【語学学校】私立・一週間 | 約3万円~4万円 |
オーストラリアは語学学校の授業料の平均相場はとても割安になっています。ただ大学の授業料に関しては他の国と変わらず高額といえます。
韓国の平均相場
韓国の授業料(1韓国ウォン=0.09円で計算)
【大学】国立・一年間 | 約36万円~約54万円 |
【大学】私立 | 約54万円~約90万円 |
【語学学校】国立・10週間 | 約14万円 |
【語学学校】私立・10週間 | 約16万円 |
韓国の大学授業料の平均相場は、4か国の中で一番安くなっています。それと比較すると語学学校の費用は比較的高額です。
一年間の海外留学でかかる渡航費などの費用
渡航費などの費用には「航空券代」「海外留学生保険」「パスポートやビザ申請料金」「ビザ取得に必要な健康診断書などを発行する費用」「渡航準備サポート料金」が挙げられます。それでは、航空券と海外留学保険、パスポートやビザの平均的な相場について、くわしく解説します。
航空券
一年間の海外留学では帰国を考慮し、一年間の有効期限がある航空券を選ぶことが多くなります。これは片道の航空券をそれぞれ買うよりも割安になることが多いためです。2020年8月における、国別の航空券のおおまかな価格(東京成田発・燃料費諸税込)は、以下のようになっています。
航空券価格(成田発)
行先 | 価格 |
サンフランシスコ | 約14万円~約67万円 |
ニューヨーク | 約23万円~約77万円 |
バンクーバー | 約26万円~約84万円 |
シドニー | 約5万円~約11万円 |
ソウル | 約8万円~約53万円 |
このように、航空会社やチケットの種類によって、価格にかなり差があります。格安航空券サイトなどを利用して一番安いものを選ぶと、渡航費をかなり抑えることができます。
海外留学保険
海外は日本に比べて医療費が非常に高いため、海外留学保険に加入しておくことが大切です。一年間の海外留学では、保険期間を長くする必要があるため、クレジットカード付帯の海外旅行保険では、留学期間すべてをカバーすることができません。別途海外留学保険に加入してしっかりと保障をそなえましょう。
海外留学保険では、保険期間が最長一年までで自由に設定できることや、住宅内の家財や身の回りの品の盗難、借家の火災に伴う家主への賠償責任への保障を備えられるなど、現地で長期間生活する留学生のための保障がそろっています。
また、万が一日本にいる家族が死亡したり、危篤になった場合の一時費用を保険でカバーできるものもあります。海外で病気やケガをしたときには、予想以上のお金がかかるため、必ず海外留学保険に加入していきましょう。
パスポートやビザの申請費用
パスポートの申請費用は、10年間有効のものが16,000円、5年間有効のものが11,000円です。また、ビザの発行費用はそれぞれの国によって違いがあり、オーストラリアが一番高くなっています。
国別のビザ申請費用
国名 | ビザ申請費用 |
アメリカ | 160ドル(17,600円) |
カナダ | 150カナダドル(13,050円) |
オーストラリア | 620オーストラリアドル(49,600円) |
韓国(マルチプルビザ) | 9,900円 |
ビザの申請には、1カ月以上かかることもあります。留学の計画が決まったら、できるだけ早く申請するようにしましょう。
一年間の海外留学でかかる生活・滞在費用
一年間の留学費用で大きな割合を占めるのが、「授業料」と、「生活・滞在費」です。それでは、国別の生活・滞在費について、くわしくみていきましょう。
アメリカ合衆国
アメリカの生活・滞在費用
【大学】公立4年制 州外学生 | 約127万円 |
【大学】私立4年制 | 約144万円 |
【語学学校】ホームステイ・4週間(2食付) | 約7万円~ |
【語学学校】学生寮(9週間・2人部屋) | 約10万円~ |
アメリカの大学における生活・滞在費は、私立の大学で一番高くなっています。しかしホームステイや学生寮であれば、現地の滞在費用を安く抑えることができます。
カナダ
カナダの生活・滞在費用
ホームステイ(4週間・1日2食付) | 約6万円~約11万円 |
学生寮(8カ月・食事付) | 約62万円~約116万円 |
カナダの生活・滞在費は、アメリカの約半分ほどとなっており、比較的安い費用で先進国に長期滞在できることが魅力です。
オーストラリア
オーストラリアの生活・滞在費
ホームステイ(1週間・1日2食付) | 約2万円~約3万円 |
学生寮(1週間・食事の有無によって価格が大きくかわる) | 約3万円~約4万円 |
賃貸物件(シェアハウス含む・地域や設備によって子おtなる) | 約1万円~約4万円 |
オーストラリアの生活・滞在費は、アメリカやカナダに比べると、かなり安いことが魅力です。オーストラリアへの留学の場合は、現地でかかる滞在費をかなり抑えることができます。
韓国
韓国の生活・滞在費
学生寮(4週間) | 約3万円~約6万円 |
下宿(4週間) | 約6万円~約9万円 |
韓国でもアメリカ・カナダに比べると比較的滞在費は安く抑えることができます。
【一年間の海外留学のための事前準備】出発前にしておくべきことは?
一年間の海外留学では日本を離れる期間も長くなるため、しっかりと事前準備をしておくことが大切です。出発前に、以下の項目を確認しておきましょう。
出発前に事前にやっておきたいこと
- パスポートを取得する
- ビザを取得する
- クレジットカードを複数枚準備する
- 留学生保険に加入する
- 重要書類のコピーを用意する(パスポートや保険、クレジットカード会社情報など)
- 健康診断を受けておく
- 虫歯を治療しておく
- 空港から滞在先までスムーズにいけるように移動手段を調べる
- 現地の情報は滞在先の周りを調べておく(Google Earthなどを利用するとよい)
留学中に体調を崩したり病気になったりしないためにも、事前準備として、日本で健康診断を受けていきましょう。また、留学したばかりのころは緊張や疲れで体調を崩すこともありますが、健康診断を受けていれば、不安が大きくなることもありません。また、虫歯の治療も非常に高額なためしっかりと終わらせておきましょう。
海外留学費用は節約できる?一年間の費用節約するためのコツ
一年間の海外留学費用は、かなりまとまったお金が必要です。しかし、留学先や滞在方法などを工夫して節約することで、ある程度留学費用を低くすることが可能です。
留学費用の中で大きな割合を占めるのは、「授業料」と「滞在費」です。この二つの費用を少なく抑えることで、一年間の留学費用を抑えることができます。それでは、一年間の海外留学の費用を低くするためのコツや注意点について解説します。
語学学校で英語を勉強する
海外留学先での授業料は、どのような学校に通うかによって決まります。国別の授業料をみてもわかるように、大学の授業料は語学学校よりも高額なため、安い費用で留学したいのであれば、語学学校がおすすめです。
また、語学学校への留学は授業料を抑えられることだけでなく、自分のライフスタイルに合った留学計画を立てやすいというメリットがあります。大学の場合は、語学プログラムなどの開始時期や期間がはっきり決められていることが多いですが、語学学校では、留学期間を1カ月単位で決められます。
自分の好きなタイミングで入学できることから、日本での学習状況や家庭の事情に合わせて、都合がよい時期に留学することが可能となっています。
物価や滞在費が安い国を選ぶ
一年間の留学費用の大きな部分を占めている「生活・滞在費や食費の金額」が安い国に留学することで、費用を抑えることができます。
この記事で紹介した4か国の中ではアメリカは授業料、滞在費ともに高く、一番留学費用がかかる国といえます。オーストラリアや韓国は授業料や滞在費が安いことから、一年間の海外留学費用を低く抑えることが可能です。
アメリカやカナダなどの先進国に比べて、アジアへの留学費用は比較的低いという傾向があります。留学費用がネックになっていて留学を迷っているという場合は、アジアへの留学がおすすめです。
紹介した4か国よりも授業料や滞在費が低い国は、マレーシアが挙げられます。マレーシアの大学費用は、私立で年間80万円前後、国立では30万円ほどとなっています。国立に通えば、上記4か国の語学学校に通うよりも、授業料が安くなります。
早めに留学の計画をたてる
一年間の海外留学費用を抑えたい場合は、できるだけ早く、計画的に留学プランを策定することが大切です。語学学校の中には、早めに申し込みをすることで割引を受けられる場合があります。
エージェントを通して早めに申し込むと、特別なキャンペーン価格が適用され、留学費用を安くおさえられることもあります。エージェントはさまざまな語学学校の割引プランを把握していますので、早めに相談をして、お得なプランがあるところを狙って申込みをしてもよいでしょう。
また、航空券も早割やキャンペーンを活用して、安く購入できることがあります。特に、航空券は格安のものから売り切れていくため、留学先を決めたら航空券について早めに調べることが大切です。
また、 繁忙期に渡航しないお盆休みや年末年始、春休みや夏休みの時期は旅行に行く人が多く、航空券の価格も高くなる傾向にあります。このようなピーク時をはずして渡航するだけで、航空券価格が数万円から十万円ほど安くなる場合があるためこの時期を渡航時期にするのは避けるのが得策です。
留学保険は比較して検討する
留学保険は、保険会社やプランによって、保険料に大きな差が出ることがあります。留学生保険は一年間分の保険をかけるため保険料が高く、数十万円することもめずらしくありません。
そのなかで、高い保険と安い保険を比較すると、年間で20万円ほどの差が出ることもあります。留学保険は必ずかけなければなりませんが、充実した保障内容で保険料が安いものを、じっくりと比較して選ぶようにしましょう。
まとめ
一年間の海外留学をする場合、多額の費用がかかります。しかし早めに計画・下調べをして準備することで費用を抑えたり、安い費用でも充実した留学生活を送ることが可能です。
海外留学はさまざまな経験ができ、人生の幅も広がるでしょう。高い留学費用が原因で、留学を迷っているのであれば、ぜひ授業料や滞在費が安い国を検討して みることも一つの手段となりそうです。
しっかりとした下調べと準備で留学を計画し、成功させましょう。
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