
手頃な医療保険のメリット・デメリットとは?お得で後悔しない保険選びをご紹介
手頃な医療保険の保険料

医療保険とは
病気やケガなどで入院や手術をした時を主に保障する保険を医療保険といいます。医療保険の主契約や特約は、一般的に次の通りです。
医療保険の主契約と特約
- 主契約:入院給付金、手術給付金など
- 特約:がん入院特約、通院特約、先進医療特約など
主契約や特約の主な給付内容は次の通りです。
医療保険の給付内容
主契約・特約 | 給付内容 |
入院給付金(主契約) | 入院1日につき所定の給付金を支給 |
手術給付金(主契約) | 手術をした時に所定の給付金を支給 |
生活習慣病入院特約 | 生活習慣病で入院した時に入院給付金に上乗せして支給 |
がん入院特約 | がんで入院した時に入院給付金に上乗せして支給 |
女性疾病入院特約 | 女性特有の病気で入院した時に入院給付金に上乗せして支給 |
がん診断一時金特約 | がんと診断された時に所定の一時金を支給 |
通院特約 | 退院後に通院した時に通院1回につき所定の給付金を支給 |
先進医療特約 | 先進医療を受けた時に所定の給付金を支給 |
三大疾病特約 | がんや心筋梗塞、脳卒中になった時に所定の一時金を支給 |
医療保険の保険料
次に医療保険の平均的な保険料と、手頃な医療保険の保険料の違いについてみていきましょう。
医療保険の平均的な保険料
医療保険の保険料を調査した統計がないため、保険比較サイトの上位商品を比較し、平均保険料をイメージしましょう。
大手保険比較サイトで上位表示された医療保険の保険料(40歳男性)は次の通りです。
40歳男性の医療保険の保険料
Aサイト | Bサイト | Cサイト | |
1位 | 2,166円 | 2,142円 | 1,680円 |
2位 | 1,680 円 | 8,498円 | 960円 |
3位 | 2,412円 | 7,430円 | 2,919円 |
4位 | 1,540円 | 2,820円 | 2,166円 |
5位 | 4,324円 | 1,130円 | 3,320円 |
保険料は960円から8,498円まで大きな幅がありますが、2,000円前後の商品が上位表示されているようです。
手頃な医療保険の保険料は1000円前後
年齢や性別で異なりますが、保険料は概ね1,000円前後です。前述の3つの大手保険比較サイトの商品で、40歳男性で最も保険料が安かったのは定期タイプの医療保険で、保険料は960円です。
また、年齢に関係なく保険料1,000円で加入できる商品もあります。
手頃な医療保険の保障内容

①入院給付日額
医療保険に加入する時、入院1日につき 給付金日額をいくらにするかを決めます。この金額を入院給付日額といい、5,000円や1万円などが一般的です。また、商品によって給付日額の最低額と最高額が決まっていて、1,000円単位で日額を設定できる商品もあります。
手頃な医療保険の入院給付日額は3,000円など低めに設定されています。 入院給付日額が2倍になれば、保険料も2倍になるのが一般的です。
②入院給付金の支払限度日数
1回の入院に対する入院給付金の支払い日数には限度があります。1入院で支払われる給付金の最大日数を入院給付金の支払限度日数といい、60日や120日、180日など商品ごとに決まっています。
手頃な医療保険の支払限度日数は、60日など短めの設定です。1入院当たりの入院日数は短期化していますが、60日分の給付が終わるとそれ以上入院しても給付されません。
また、入院給付日数を通算して支払われる最大日数(通算支払限度日数)も、700日、1,000日、1095日など、商品によって異なります。通算支払限度日数が短くなるほど保険料は安くなります。
③手術給付金
手術給付金の金額は、商品によって次のように決まっています。
手術給付金の金額
- 手術の種類によって入院給付日額の10倍・20倍・40倍
- 手術の種類に関係なく一定倍率(入院中の手術:20倍、通院での手術:5倍)
- 手術の種類に関係なく一定金額(入院中の手術:10万円、通院での手術:5万円)など
保険会社によって手術給付金の金額設定は様々ですが、手頃な医療保険では手術給付金の金額が低く設定されています。
④上乗せの特約
医療保険には様々な特約で保障を上乗せすることができます。特約を付加すると手厚い保障が得られる反面、保険料は高くなります。付加できる特約には、先進医療特約や、入院・通院・特定の疾病に対する一時金特約などがあります。
手頃な医療保険では上乗せの特約はあまり付けないシンプルな保障内容です。特に、がん一時金特約など高額の一時金が給付される特約は保険料が高めのため、手頃な医療保険には付加されていないことが多いようです。
⑤保障期間(定期タイプと終身タイプ)
医療保険の保障期間には定期タイプと終身タイプがあります。定期タイプの医療保険の方が保険料は安くなりますが、更新時には保険料は高くなります。
また、同じ終身タイプでも保険料の払込期間が長くなるほど保険料は安くなります。保険料の支払いが10年間、60歳払込完了、終身払で比較すると終身払が一番安くなります。
手頃な医療保険は、「定期タイプ」か終身払の「終身タイプ」がほとんどです。
⑥掛け捨て型と積立型
解約返戻金や満期保険金のある医療保険を積立型、解約返戻金などがないものを掛け捨て型といいます。
積立型はお金が戻ってくるので魅力を感じる人もいますが、保険料は高くなります。解約返戻金や満期保険金を支払うための費用が保険料に上乗せされるからです。
手頃な医療保険は掛け捨て型ですが、医療保険の多くは掛け捨て型です。
手頃な医療保険のメリット

無駄な保険料を払わなくて済む
少ない費用で必要な保障が得られれば、無駄な保険料を払わなくて済むというメリットがあります。保険料が高めの医療保険を選べば、充実した保障内容になるでしょう。しかし、必要な保障は人によって異なるため、次のように必要性の低い保障に保険料を支払っている可能性もあります。
必要性の低い保障
- 別途加入している保険の入院特約等と重複して加入
- 将来保障を見直す可能性が高い20代、30代の人が保険料の高めの終身タイプに加入
- 20代、30代の人が「支払限度180日」の入院保障やがん入院特約に加入
全年齢の平均入院日数は29.3日ですが、15歳から34歳では11.1日と半分以下なので、若い人は1入院の支払限度日数が60日でも大抵のケースで対応可能です。また、50代から急増するがんに対する備えは、40代以降にするという選択肢もあります。
節約した保険料で老後保障を準備できる
保険料を節約できれば、なかなか着手できない老後保障の準備に充てられます。近年は「人生100年時代」といわれる一方、「老後破綻」という言葉が話題となり、関心が高まっています。ただ、住宅ローンや教育費などで老後の準備までは手が回らない人も多いでしょう。
老後資金として一千万円単位の資金準備が必要なケースもあるので、可能な限り早い時期に準備をスタートし、長期的・計画的な資金づくりが重要です。
現在の状況に合った適切な保障に切り替えやすい
医療保険加入時から一定期間が経つと、必要な保障内容が変化したり、最新の保障内容が追加されている場合があります。その際に保障内容が切り替えやすいと、適切な保険料を支払って適切な保障を受けられる可能性が高くなります。
年代別ニーズに見合った保障への切り替え
年齢とともに必要な医療保障の内容は変わります。終身タイプや積立型の医療保険は、途中で切り替えるとこれまで支払った保険料が無駄になります。しかし、定期タイプなら影響が少ないので切り替えやすいです。切り替えのポイントは次の通りになります。
切り替えのポイント
- 40代前後にがんや生活習慣病の保障を手厚くする
- 女性は30歳前後から女性特有の病気(乳がんや子宮がんなど)の保障を手厚くする
- 50代、60代の人は入院の長期化に備えて1入院の支払限度日数を長めにする など
最新の保障への切り替え
医療技術の進歩にともない医療保険は進化しています。先進医療や放射線治療、抗がん剤治療に対する保障など、医療保険のニーズも変化します。最新の保障に切り替えればニーズに応じた保障内容にできます。
手頃な医療保険のデメリット

毎日の入院給付額が少ない
生命保険文化センターの直近調査では、入院1日当たりの自己負担費用は平均23,300円です。保険料2,000円未満の医療保険の多くは入院給付日額が3,000円~5,000円程度のものが多く、給付金で入院費用を賄えないこともあります。
参考:生命保険文化センター「令和元年度生活保障に関する調査」
手術給付金や入院一時金などが加算されても、入院が長期化した場合は相当の負担が予想されます。
大きな病気に対しての上乗せ特約が無い場合がある
がんなどの大きな病気の場合、入院の長期化や高額の治療費がかかるケースもあります。また、入院給付日額が少なかったり、手術給付金や上乗せの特約がなかったりする場合は、大きな出費を迫られるかもしれません。
上乗せ特約の多くは、大きな出費が想定される病気や治療法に対して設けられています。保険料を抑えるために上乗せの特約を付加しなければ、一定のリスクを負うことになります。
保障が一生涯続かない
定期タイプの手頃な医療保険には、保障が一生涯続かないというデメリットがあります。
定期タイプは保障が終わる
定期タイプの医療保険は、定期期間(10年、15年など)が経過すると終了します。保障が必要ならば、更新可能な医療保険は更新手続きが、更新できない医療保険は新規加入の手続きが必要です。
体況によっては再加入できない
医療保険が満期になって新規加入が必要なとき、体況に問題があると加入できないリスクもあります。例えば、80歳で保険期間が終了して更新できない場合です。
また、最近では引受基準緩和型(または限定告知型)の商品も販売されていますが、保険料は通常の医療保険と比べて割高です。
更新時に保険料がアップする
定期タイプの多くは無診査で更新できますが、保険料はアップします。若いうちは保険料のアップも少なく、収入も増えているので影響は少ないです。しかし、65歳以上の人は定年で収入が減った上に保険料が大幅にアップするので、大きな負担になります。
手頃な医療保険に加入する時の注意点

保険料を抑えることは重要ですが、その分加入する際は保障内容に注意する必要があります。
最低限必要な保障は準備する
いくら保険料が安くても必要な保障が準備できなければ、いざという時に困ることになります。独身者や小さな子供のいる人、資産が十分にある人、自営業者など、それぞれの環境によって必要な保障内容は異なります。
医療保険の中には入院給付日額が2,000円の商品もありますが、これでは少し不安です。最低限必要な保障を準備することを前提に適切な保障内容の保険を選択しましょう。
保険比較サイトや保険ショップで比較・検討
医療保険の保障内容は保険会社によって多種多様であるため、希望に見合う保険会社や商品を自力で見つけるのは困難です。生命保険に関する知識と相当な時間を要するからです。
しかし、保険比較サイトや保険ショップなら数多くの保険会社・商品をまとめて比較・検討できるので、保険に詳しくない人だけでなく一定の知識がある人にもおすすめです。
安すぎる医療保険は要注意
手頃な医療保険は、保障内容を慎重にチェックしましょう。当然あると思っていた保障がないなど、いざという時に役に立たないこともあるので注意が必要です。
手術保障がない医療保険
医療保険の中には、手術給付金が出ない(または特約付加が必要)ものがあるので注意が必要です。
医療保険の主契約には、基本的な入院保障と手術保障がセットになっているのが一般的ですが、手頃な医療保険の中には入院保障のみの商品もあります。保険料が安すぎると感じたら、手術給付金が出るかどうかチェックしましょう。
特定の病気に特化した医療保険
がん保険も医療保険の一種ですが、がん以外での入院や手術に対して給付金は出ません。保険料が安い場合、病気やけが全般の保障としては適切な選択ではない可能性があります。
がん保険以外にも特定の病気に特化した医療保険と、一般の医療保険を混同しているケースもあるので注意しましょう。また、けがの入院しか保障されない傷害保険も同様です。
まとめ
手頃な医療保険は保険料を節約できるメリットがある一方、本当に必要な保障が不足するデメリットもあります。医療保険を検討するときは、まず必要な保障内容を決めた上で、保険比較サイトなどで比較・検討し、適切な医療保険を選択するようにしましょう。
また、20代・30代の人には将来の保障見直しを前提に、定期タイプの手頃な医療保険がおすすめです。
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